こんにちは!
スポーツコンサルタントの松原です。
今回も私のブログ記事をご覧になっていただきありがとうございます!
さっそくですが、多くの人は、
「スポーツは体でするもの!」
だと考えています。
たしかにそれも間違いではありません。
ですが、そこにはちょっとした誤解があります!
それはどういうことなのかというと、
体を動かしているのは脳そのものであり、
いってしまえば、
運動は体ではなく脳でするもの
だということです!
よく、
「おれは勉強は苦手だけど体育は好きだ!」
といった
『運動は体で、勉強は頭でする』
といったように考えてしまう人もいますが、それも誤解なのです!
勉強も運動も行っているのは脳そのものです!
つまり、勉強も運動も脳がしているのです!
そして、スポーツが上達するには、この脳の仕組みを理解すると上達をするヒントを得ることができます!
例えば、勉強でも同じことが言えます。
勉強ができるかできないかは、そもそも正しい勉強方法で学習しているかいないかの差でしかありません。
そう、もともと天才的な脳がある人が勉強ができて、「頭がいい」と言われているわけではありません!
ただ、正しく学んでいただけです。
つまり、言い方を変えれば、勉強ができるかできないかは正しい脳の使い方を知っていたかいないか、たったこれだけの差なのです。
そして、それはスポーツにも当然同じことが言えるのです!
なぜなら、繰り返しになりますが、運動も脳でするものだからです!
つまり、
「俺は全然スポーツが上達しない」
なんて悩んでいる人は、そもそもスポーツが上達する脳の仕組みを知らないだけなのかもしれません。
ですので、今回の記事は、スポーツの上達に役立つ脳の仕組みを分かりやすくお伝えしていきたいと思います!
もし、今までスポーツをやっていて脳のことなんてまったく考えていなかったのであれば、
「なるほど!そうだったんかー!!」
っといった気付きがあるに違いありません!
ですので、
「スポーツが上達したい!」
といった方は、是非このまま続きを読み進めていってください!
ではさっそく始めていきましょう!
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1.スポーツは脳力バトル
繰り返しになりますが、多くの人は、スポーツとは、
体でするものである
と思っています。
たしかに、実際にはそれも間違いではありません。
なぜなら、目に見えているのは人の動きそのものなだけであって、
「体が動いている」
としか感知することはできないからです。
間違ってもスポーツを見て、
「あの選手は脳がすごい!」
とは思わないでしょう。
それに自分でスポーツをしていても、体を脳で動かしているといった感覚はありませんよね。
ですが、スポーツで我々の筋肉や体そのものを動かしているは脳なのです!
すべては脳からの指令によって我々の体は動いているのです。
サッカーで相手選手と激しくぶつかり合いゴールを決める、テニスでラケットで高速なボールを打ちかえす、野球で高速のボールを打ちかえす。
こういったスーパープレーもすべては脳からの指令によって動いていて、
つまり、言ってしまえば、
スポーツは究極の脳力バトル
であるといっても過言ではないのです!
「そんな体が脳によって動いているなんて・・」
と思われるかもしれません。
ですが、それは本当です!
この世の中には、
「体で覚える」
といった言葉も深く浸透しているので、我々はどうしてもスポーツは体でするものだと認識してしまいがちです。
ですが、筋肉や骨といった部位にはそもそも、
「記憶をする」
といったしくみは実は備わっていません。
そう、この筋肉や骨といったパーツはすべて脳からの指令によって動いているだけなのです。
例えば、勉強もいってしまえば同じことになります。
そう、勉強は頭でするもので、運動は体でするものだと思っている方もいるでしょう。
これは冒頭でもお伝えしました。
ですが、すべては脳からの指令です。
読書をする。ノートをとる。歩く。ピアノを弾く。サッカーをする。
どれも実は一緒のことなのです!
違うのは、脳からの指令で大きな筋肉を使っているか、小さな筋肉を使っているかの違いなだけなのです。
そう、どれも脳の中にニューロンに信号が通り、神経から筋肉へと伝達が行われるのです。
勉強もスポーツもこういった観点から見れば大きな違いはないのです。
2.スポーツの脳と身体の仕組み
では、そういった脳の仕組みは一体どのようになっているのかをさらにここから詳しくお伝えしていきたいと思います。
実際にはスポーツをする時には脳はどのように機能しているか?
まず、手足の運動を作り出す筋肉の動きはすべて神経によってコントロールされています。
歩く、走る、跳ぶ、投げる、蹴る、など普段の生活からスポーツのみに見られる運動であっても、人の意図的に行うほとんど全ては筋肉が収縮することで引き起こされます。
運動の指令は大脳の運動野によって生成され、脊髄に存在する運動ニューロンを介して中枢神経、末梢神経へと伝わり、筋肉を動かします。
その脳の運動野からの指令がでて運動がおこるまでの神経システムを神経系といいます。
画像出典:http://www.moc.zaqrs.jp/tounyou/index.html
例えば、投げるといった指令が運動野からでたとします。
するとそれがニューロン(神経細胞)からニューロンへとその間のシナプスを介して
脳→脊髄→末梢神経→筋肉と電気信号を伝えていき、投げる動作を行います。
この神経回路が、運動神経と呼ばれているのです。
そして、この運動の情報は、運動に関連する感覚の情報や他の脳部位の情報によって調整をうけます。
そこで強い影響を受けるのが、
大脳基底核と小脳
です。
大脳基底核は簡単にいってしまえば、運動野の命令に対して、どんな運動をするかを決めるような働きをしてくれます。
そして、小脳はその運動命令が実行されているかを確認して、その動きにズレが生じた時に修正をしたり大脳基底核に筋肉をどのように動かせば命令どうりにいくかを判断しています。
つまり、簡単にいってしまえば、高度なスポーツの技術はこの小脳にインプットされているわけであります。
もちろん経験をつんだベテラン選手になれば、この小脳にプログラムがインプットされている数が多いと言えるのです。
ということは、スポーツの技術を向上させるには、この小脳に運動をインプットさせる必要があるわけですが、
では、どのようにしたらこの小脳に高度な技術をインプットさせることができるのか?
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3.スポーツ上達の脳の仕組み
人間は何げない動きをしていたとしても、脳内では複雑かつ巧妙な計算によって体を動かしていることはお分かりいただけたのではないでしょうか。
そして、この脳のプログラムは言ってしまえば、後天的に与えられるものであります。
そう、つまり「鍛えていくことができる」ものだというわけです。
脳にはそのような柔軟な能力が備わっているのです。
3-1.反復練習
では具体的にはどのようにしたら、この脳からの神経ネットワークを脳に覚えさせ、スポーツを上達させることができるのか?
それには、やはり練習が必要です。
そう、どんなスポーツでも、反復練習による技術の習得は欠かせないことは多くの人が経験からも知っていることでしょう。
ですが、なぜ、この練習が上達に直結するのかまでのメカニズムとなるとなかなかそこまでの説明は難しいのではないでしょうか。
筋力が上がるから上達するのか?
もちろんそれも上達には欠かせないことです。
が、より重要なことは、何度も反復することによって、この脳からの神経系ネットワークを脳に覚えさせることなのです。
脳は身体の動きによって、その部位に対応する神経活動は活発化して、いくら複雑な動きですら、繰り返すことによってまるで、コンピューターにプログラムを書き込むかのように動きそのものを記憶してくれるのです。
そう、神経細胞の数が増えていくのです!
そしてそれはやがては頭で考えなくても、
無意識レベルでできるようになる
のです!
これが言ってしまえば、
「体で覚える」
といったことであり、小脳にインプットされた状態であります。
例えば、自転車に何年も乗っていなかったとしても、久々に乗っても乗りこなせるのはそれはその動きが脳内にインプットされているためです。
自動車も一緒です。
つまり、スポーツを上達させるには、このネットーワークを無意識レベルで形成できるほどに何度も何度も繰り返し反復するしか方法はないのです。
あなたも自転車には何度も何度も失敗しながらも練習を繰り返して乗れるようになったと思います。
スポーツも同じです。
そう、毎日コートに向かって脳に身体の動きを刻みこむように練習に練習を重ねるのです。
例えば、いかなる分野でも、その道のエキスパートになるためには、約1万時の累積練習時間が必要であると良く言われます。
この考えは、超一流になるための10年ルールなどと呼ばれています。
こういったことを考えると、スポーツの世界には元々の天才なんていないことが分かります。
天才は練習嫌いである
といったような言葉は都市伝説であって、いくら練習嫌いに見えたとしても、本当はだれよりも実践を繰り返していたといったことなのです。
野球のイチロー選手は努力の天才だと言われていますが、まさにこういったことの象徴ともいえる選手です。
練習なくして新しいテクニックを習得できることは絶対にないのです。
これは、ファンタジスタと言われるような創造性豊かなプレーをする選手にも当然あてはまります。
そう言われるような選手であってもそのクリエイティブな閃きとも思えるプレーも普段の反復練習の中から見出してきたものなのです。
つまり、練習でやったことがないプレーは試合では絶対に出来ないのです。
3-2.なぜ運転は上手くならないか
とはいっても、何年も何年も繰り返し反復して行っていることでも、
ある一定になってしまうと、上手くならないことが日常の中であなたにもあるのではないでしょうか?
例えば、自動車の運転や自転車に乗るといった行為もそうでしょう。
この動作は考えてみればかるく1万時間を超えている人は数多く存在します。
ですが、そのほとんどの人が毎日行っている動作なのにもかかわらず、レーサー並みに技術レベルが高い人なんていないと思います。
でも、それは一体なぜなのか?
「さっきまでは反復すれば上達するといっていたじゃないか!」
と思われてしまった人もいるかもしれません。
でも、これには理由があります。
実は、いくら反復をしたとしても以下の条件を満たした反復練習でない限りは上達しないのです。
その条件とは、
・明確な目標に対して、それに到達するために精密に構成された練習であること。
・弱点を克服するために具体的な課題がある
・上達に向けて正しい方向に向かっていけてるかどうか、第三者(コーチ)によって注意深くチェックされているか
以上の条件なのです。
つまり、ただなんとなくやっている1万時間では意味がないというわけです。
そう、真面目に常に明確な目標と高い向上心を抱き練習していくべきなのです。
これが、脳に動きの神経ネットワークを覚えさせる方法なのです。
とはいっても、こういったモチベーションを長期間継続していくことはなかなか難しいことです。
いってしまえば、厳しい練習に長期にわたって耐えなくてはいけないのですから。
3-3.モチベーションを生む脳のしくみ
では、そういった厳しい練習を長期にわたって行うためにも大切になるのが
モチベーション
でしょう。
モチベーションとは、やる気や動機付けなどといった意味と調べることもできます。
そして、このモチベーションを生む脳内のしくみは、中脳の腹測被蓋野から側坐核、大脳皮質前頭前野に投射するドーパミン神経系がやる気を出すネットワークだと同定されています。
ドーパミンは神経伝達物質の1つで、これが大量に発生すると人間は快感や意欲がわくのです!
なので、ドーパミンとはやる気ホルモンであるとも言われているのです。
そして、モチベーションには、
内発的動機づけ
といわれるものと、
外発的動機づけ
といわれるものがあります。
内発的動機づけとは動機が自分の心の中にある、好奇心などのワクワクする動機です。
逆に、外発的動機づけとは外からもたらされる報酬によって起こる動機です。
例えば、動機などの報酬によるようなものです。
金銭的な動機は強烈なやる気につながります。
子供なら試合で活躍をしたら何かを買ってもらえたるなどです。
ですが、その外発的な動機ではそれが叶った時点で満足してしまうので、長続きしないことがデメリットです。
なので、長期的にスポーツのモチベーションを維持していくためには、間違いなく内発的な動機の方が重要なわけです。
ですので、繰り返しになりますが、まずはやる気をだすために大切なことは自分のワクワクする気持ちを大切にするということなのです。
よく、スポーツの世界では、
「初心の心を大切にする」
といった言葉がありますが、これはまさに自分自身がそのスポーツが心から好きと思える楽しさを忘れずにしながらプレーをすることだと思います。
ですし、そういったとをしっかりと大切にしてくれる指導を受けることが非常に重要になってくるのです。
「スポーツで活躍したい!」でも「やる気がでない」なんてあなたのために、今回は「言葉」でやる気を出してあなたの力を最大限の引き出す方法をお伝えします!
3-4.イメージによる脳内のしくみ
そして、もう1つスポーツを上達させていく上で欠かせない脳内の仕組みがあります。
あなたは、スポーツの試合や自分の動きなどを頭の中で再現したりしたことはないでしょうか?
きっとだれもがあることだと思います。
これは、
イメージトレーニング
といて正しい状況判断を行ったり、緊張状態をコントロールする上で非常に有効だと言われています。
イメージとは脳内の神経細胞の働きを向上させることです。
例えば、人間は行動する時は、どんな場面でもイメージがまず先にあります。
そう、スマホを操作するのも、ごはんを食べることも、サッカーでゴールを決めることも、すべてがイメージが先にあって体が動きますよね。
なので、自分の理想のイメージを鮮明にもっていればいるほどに、脳はイメージを実現してくれようとするのです。
そして、そのイメージをトレーニングする事が肉体的なパフォーマンス強化につながると、さまざまな研究で明らかにされているのです。
そして、イメージトレーニングで驚くことは、実際に練習していた人と、イメージトレーニングをしていた人で同じように脳が働いていたということなのです。
なぜなら、脳は実際に行動した現実と、鮮明にイメージしたことを区別するのが苦手だからです。
つまり、イメージトレーニングとは、
脳を騙す!
といっても過言ではないのです。
ですが、気を付けてほしいのは、もちろんただイメージをしているだけではパフォーマンスは上達するわけではありません。
そう、実際に体を動かさなければ、脳のからの筋肉への伝達ルートを太くしていくことは出来ないので、上手く伝わってくれません。
そして、間違ったイメージをしていてもそれは逆効果となってしまうことです。
ですが、実際に行動しなければ動きを覚えることはできないにせよ、イメージトレーニングの良いところは、何度も繰り返せるといったことです。
ちょっと具体的なイメージトレーニング方法は今回は長くなってしまうのでお伝えできませんが、
こちら↓の記事で詳しくお伝えしていますので是非こちらもご覧になって下さい!
実は多くの人がまだまだ実践していないイメージトレーニング!その効果は絶大なのです!この記事をご覧いただき、あなたのスポーツ人生を劇的に向上させて下さい!
4.スポーツ脳の発達と予測能力
そして、脳にはおどろくべきことがまだ隠されています!
4-1.脳の発達
あなたは、脳の発達といった観点を考えたことはありますか?
「そんなことは考えたこともない」
といった人がほとんどなのではないでしょうか。
ですが、この脳の発達は多くの人に自分の可能性を信じることができる光を与えられることだと私は思っています。
脳は、はっきりと言ってしまえば、幼少期ほど大きな変化がみられるといった研究は多く報告されているといいます。
そして、子供の頃の脳に発達が著しい髄鞘(ずいしょう)という脳の深層部は運動能力や認知機能が高まることが分かっていますが、これは20歳ごろまでだと言われています!
早ければ早いほど良いとは限りませんが、脳の発達にはさまざまなことを考えると幼少期から12歳ごろまでがスポーツを覚えていくにも最適な時期だとはいえます。
が、しかし!
2010年にマルコ・タウベルト博士らが発表した論文は、成年期を迎えてからも定期的に練習をすることで、運動能力はあがり、脳内マップも変化することが示されているのです。
つまり、私達人間の脳は、たとえ大人になっても、極めてダイナミックに脳からの神経回路が変化するポテンシャルを保持しているのです。
もちろん、人間の脳の情報処理能力は年齢とともにお捉えてはいきます。
ですが、トレーニング次第ではどんどん大人でも能力をあげていくことができるというわけです!
実際に私は24歳から0から始めたサーフィンでアマチュアではありますが、予選大会を優勝し、全国大会に出場するほどのレベルになることもできました。
そして、私の先輩にはまだまだサーフィンで上を目指して日々トレーニングに励まれている方もいらっしゃいます。
こういった私自身の経験からもこの脳の発達は大人になってからでも十分に可能であると思うのです!
そして、もちろん私もまだまだ高みを目指してサーフィンをしていきます。
4-2.スポーツ予知脳力
そして、最後にもう1つ面白いことがあります!
これまで私は、スポーツを上達させていくには、反復練習による脳からの神経ネットワークを脳に覚えさせていくことが重要であるとをお伝えしてきました。
そう、複雑かつ大量の神経活動をを要するテクニックを瞬時に行うには頭で考えずとも起動できるまで、プログラミングしていかなければならないということです。
それが、無意識的にプレーしたり、判断するといった能力以上に、勝手に体が反応するといったことなのです。
人間のスポーツの世界でのこういった、反射とも言われる動きはまさにそういった無意識レベルにまで人間が反復練習によって脳にその動きをインプットさせてきた証拠だとも言えます。
例えば、サッカーは判断のスポーツであるとも言われます。
が、私は瞬間的な動き自体は判断能力ではないと考えています。
そう、
一瞬で相手の動きを読んでボールを奪う。
無意識レベルで空いたスペースへシュートを打つ。
一瞬で相手を交わす。
これもすべては反復から生み出された無意識的レベルの動きなのです。
とは言うものの、サッカーといった対人競技であり、複数の人が同時に行うスポーツでは、自分がやりたいことをするだけでは試合に勝つ十分な条件を備えているとはいえません。
そう、相手がどう動くかを見極め、どのようなパスをどのタイミングで出すか、そしてボールは次にどこに飛んでくるか。
そういったことを予測するのも大きな役割を果たすからです。
視覚、あるいは聴覚なども用いながら、他者や、その他の状況をいかに『認知』するかの勝負だといってもよいのです。
私は、サッカーはドリブルが上手いがサッカーが上手いではないと、別の記事でも述べていますが、、まさにこういったことが言えるからです。
例えば、『認知科学のショウジョウバエ』と言われているチェスは、人が世界をどのように認識し、脳がいかにそこから得た情報を処理しているかを解き明かす実践モデルとして古くから重宝されてきたといわれています。
そして、そのチェスの世界では、エキスパートも初級レベルの人も、対戦中の局面において思いつく駒を動かすパターン数はなどには、実はさほど差がないというのです。
では、エキスパートと初級者では一体何が違うのか?
それは、
短期間で覚えられる駒の配置の数
であるというのです。
面白い実験があって、
腕前の異なるチェスのプレーヤーを数名集めて彼ら全員に2から15秒間だけ盤面を見せ、
その後、彼らに別のチェス盤を用いて、先ほど見せた盤面の配置を再現させてみるといった実験です。
すると、上級者は93%の高確率で駒を正しい位置に置けたのに対して、初級者は50%ほどだったというのです。
これが何を意味しているかというと、
必ずしも、上級者たちが優れた記憶力の持ち主であるということではないのです。
上級者は目の前に存在する駒の配置から、その前後の展開を
読める
からこそ駒の場所を覚えることも出来るのだと推測してのです。
そして、こういった研究はさらにされ、ある事実が判明したのです。
それは、
上級者が実際の対局で駒の位置を正しく記憶できるのは、盤面上にある一定の法則や前後関係を見出し、そこから物語性を読み取っていたからであるということなのです。
つまり、チェスの名人は盤面を1枚の写真のように記憶に焼き付けるのではなく、盤面を見た時にこれまでの対局経験や訓練で蓄積してきた様々なデータを呼び出し、あり得るパターンを瞬時に考え駒の位置を記憶しているというわけなのです。
そして、このような複数の事象を経験や訓練で蓄積してきた様々なデータによって記憶をする情報処理能力をチャンキング理論と提唱したのです。
これは、何もチェスにだけ言えることではないでしょう。
そう、例えば、サッカーの一流選手も当然こういった経験から、グランド上の合計22人の配置を瞬時に記憶し、最適な判断を繰り返していると言えます。
バレーでもバスケでも野球でもあらゆるスポーツにあてはまるのです。
つまり、未来を知る能力は過去の経験による蓄積の上に成り立つのです。
そして、この脳の特性は身体的能力のように老化があるわけではなく、老化に耐えて保持され、むしろ発達することもあるというのです!
あらゆるスポーツの世界で20前後の身体的にピークの選手だけが活躍しているのではなく、ベテラン選手が活躍しているのには、このようなことも大きな理由の一つなのでしょう。
5.まとめ
ここまで読んでいただき本当にありがとうございました。
スポーツと脳についてまだまだ未知なることは数多く存在するとは思いますが、今回はベーシックなところから、多くの人が知らない事実までお伝えすることができたのではないかと思います。
我々の脳は10%ほどしか使われてないと言われています。
なので、脳はもっともっとふる回転して使うことができるのです!
つまり、脳の可能性はまだまだ無限にあるのです。
そう、ですからスポーツであなたの無限の可能性を引き出すことはできるのです!
なぜなら、スポーツは脳力バトルであるからです!
それでは、今回の内容を簡単にまとめてみたいと思います。
・スーパープレーもすべては脳からの指令でありスポーツは究極の脳力バトルである
・手足の運動を作り出す筋肉の動きはすべて脳からの神経ネットワークによってコントロールされている。
・高度なスポーツの技術はこの小脳にインプットされている。
・反復することによって、この脳からの神経系ネットワークを脳に覚えさせることができる。
・高度なテクニックを覚えるには計画的な1万時間の練習が必要。
・脳でつくられるドーパミンという神経伝達物質が人間の快感や意欲を出すものである。
・イメージを鮮明にもっていればいるほどに、脳はイメージを実現してくれようとする。
・脳は、たとえ大人になっても、極めてダイナミックに脳からの神経回路が変化するポテンシャルを保持している。
・エキスパートと初級者の違いは経験から得られる短期間で覚えられる駒の配置の数
最後までお読みいただき本当にありがとうございました。
あなたのスポーツ人生がより良いものへとなりますように。
それではまた!
※【追伸】※
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それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。
松原秀文